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サービス付き高齢者向け住宅の需要、実際はどうなのか?

高齢者住宅普及促進事業は国の医療政策・介護政策に切っても切り離せない事業です。国はお金がありませんので、高齢者を、病院や施設ではなく、在宅(在宅とは、広い意味で自宅だけでなくグループホームや住宅型有料老人ホーム、サービス付高齢者住宅等も含みます)に移行していき、医療費・介護費を縮小させようとしています。

では、どのくらいの需要が見込まれるのでしょうか?

堺市を調査した結果をご紹介します。

堺市では平成20年度時点で年間43,378人(内、新規10,361人、変更2,856人、更新29,725人、転入436人)の方が介護申請を行っています。平成23年には高齢者数に対する要介護度認定者数が20%を超えると予想されており、全国平均16.3%を大きく上回る数値が出ております。特養における、待機者数の延べ人数は、5,366人ですが、堺市役所が把握している人数では、実待機者数1,629人であり、単純 に平均して1人3施設以上は入居申込みをしていることになります。予防を除く在宅介護利用者14,375人の11.33%の人が待機をしている状況です。ただし、潜在需要はその1.3倍にあたる2,117人と推計されます。

また、第四期介護計画(平成23年度までの事業計画)により672床の介護施設の増床の計画があります。足し引きすると2117―672人=1445人が介護施設等への入居希望があると考えられます。今後、高齢者が増えることを考えても、最低1445戸の高齢者の住まいが不足していることになります。1445戸不足しているなら、建てたら埋まるのでは?いえ、実際はそんなに甘くありません。私自身も無計画で高齢者住宅を建築して失敗しているのを見ています。

ここで、失敗している高齢者住宅の特徴を挙げると、

  1. 賃料が高い
  2. 介護サービスがない

の2点です。賃料が高いといいますか、マーケティングをきちんとせず、建築費が高いから家賃はこのくらい必要だということで、ギンギラの装飾をつけた高齢者住宅で、家賃が9万円、立地も悪い物件がありましたが、1年も持ちませんでした。また、名前だけの高齢者住宅もたくさん出ています。運営事業者が借上げもしていません。3棟ほど見に行きましたが、入居もパラパラ入っているくらいでした。借上げていないのでオーナーさんは確実に持ち出しだと思います。いまだ、こういった高齢者住宅を提供しているコンサルタントという人がいっぱいいるのには驚きます。

高齢者住宅は、

1.ローコスト

2.低価格設定

3.バリアフリー化

4.安心できる運営事業者による  借上げ・運営

この4点が大事になってきます。高齢者住宅は確実に必要不可欠な建物です。確実に社会貢献のひとつになります。しかし、社会貢献という文句に騙されてしまったオーナーさんがおられるのも事実です。だからこそ今、高齢者住宅のスタンダードを作っていきたいと思います。